沈黙を恐れるな!沈黙は敵じゃない!
人前で話すときの怖い物ランキング上位に、「沈黙」が挙げられる。
何か話さなければならない…相手は黙っている自分をどう思っているのか…
そんな事を考えるうちに、つい先走って要らないことを言ってしまった経験はないだろうか。
皆がつい言ってしまうフィラー(えー、あのー等の繋ぎ言葉)も沈黙を恐れるがゆえに発生していると言っても過言ではないだろう。
まずここでお伝えしたいのが、「沈黙」を恐れる必要は無い、という事だ。
沈黙中の視線が気になる、黙っていると話す内容を忘れたと思われる、色々な理由から沈黙を恐れているはずだ。
しかし、根本原因はそこではない。
沈黙を恐れている理由、それは「自分自身への自信の無さ」なのだ。
例えば、表彰式を思い浮かべてみよう。
「優勝選手は…(ドラムロール)…………田中選手です!」
しばらく「溜め」を作るのは、ある意味予定調和だ。
話し手は、聞き手をドキドキさせる為に溜めを作り、
聞き手は、ドキドキしながら溜めが明けるのを今か今かと待っている。
もしあなたが表彰式の司会を行うとして、溜めを作っている間、
「この時間耐えられねぇぇぇぇぇぇ、だからあのーって言っちゃおう♪」と考えることは無いはずだ。
聞き手も「溜めはいいからさっさと発表してくれ!」と野次を飛ばすことはほとんど無いだろう。
少々古いが、クイズ ミリオネアというテレビ番組があった。
司会のみのもんたさんが正解発表をするとき、大きな溜めがあったのをご存じだろうか。
みのもんたさん「ファイナルアンサー?」
プレイヤー「…ファイナルアンサー」
みのもんたさん「………(凄まじい溜め、後半の問題ほど長くなる)………正解!」
とこうなるわけだ。
視聴者として、みのもんたさんに「自信が無いんだな」「もしかして正解忘れて思い出してる?」なんて感想は抱かない。
私たちは、話し手が次に話す言葉を待っている。
つまり、私たちは自分自身の自信の無さを聞き手の目や耳に投影しているのだ。
自分に自信が無い=だから聞き手も懐疑心を持って聞いているだろう と。
解決するには自分に自信を付けること…と聞けば難しく感じてしまう。
しかし、こと「沈黙を気にしない」だけを考えればもっと簡単な方法がある。
沈黙を恐れない為の簡単な方法
①あえて黙ってみる
人前で話すときには、何か一つくらいは言いたいことがあるはずだ。
そしてそれを言う前に「あえて黙る」
これだけである。
この時に大切なのは挙動不審にならないことだ。
キョロキョロしたり、手持ちのカンペを何度も見たり、その行為は自信の無さの表れである。
おススメは
聞き手の顔を見渡してみること
前から後ろまで全員の目を見る意識で見渡せれば余裕も出来る。
そして聞き手は、いきなり訪れる沈黙に強烈に意識を奪われる。
「次は何を言うのだろう」と話しての言葉を待っているのだ。
②黙るときは秒数を数える
どれくらいの間を開ければいいか、始めは戸惑うだろう。
そこで、話す前に何秒黙るのかを決めておくことは重要だ。
スティーブ・ジョブズの様にいきなり十何秒も黙る必要は無い。
人前であれば3秒ですら長く感じるはずだ。
スピーチの内容によるが、ただの朝礼のスピーチで沈黙を武器にしてまで伝えたいことは無いだろう。
おおむね2~5秒程度の時間を、内容に合わせて沈黙してみるのがいい。
今回は沈黙の克服方法についてを記載した。
話し手と聞き手の心持ちが分かるだけで怖さは少なくなるはずだ。
ここぞと言うときの沈黙を武器に、人前で話して頂ければ本望である。